こんにちは。福岡市西区の元SE×社会保険労務士の吉田です。
振替休日、代休、有給休暇のそれぞれの意味、内容はご存知でしょうか??
有給休暇は大丈夫かと思います。
振替休日、代休の違いについて理解されていないと、未払残業代が発生したり、コストもどんどん膨れ上がっているかもしれませんので、ご注意下さい!
賃金の視点で比較
3つの休日は、保証する賃金や割増賃金にそれぞれ違いがあります。
振替休日
その労働が通常の労働とみなされるため、 割増賃金は発生しない
代休
その労働が休日出勤とみなされるため、 25%や35%の割増賃金が発生する
有給休暇
100%部分の賃金が発生する
賃金の視点から考えると、会社としては、振替休日を取得して欲しいと考えるのが一般的だと思います。
反対に、代休は勘弁して欲しいところではないでしょうか。
最悪、有給休暇取得であれば、会社としても「休日に出勤してもらったし・・・」ということで、双方にとって一番納得感が強いと思います。
さて、ここで気になるのが、
振替休日を優先させるという規定は有効か?
ということです。
振替休日の強制力について
業務の都合で振替休日や代休を与えない等、これらは明らかな違反行為となりますので注意が必要です。
どうしても与えられなければ、振替休日ではなく、休日労働扱いとし、休日労働としての割増賃金を支給しなければなりません。
振替休日の発生要件
振替休日を発生させる要件としては下記の2点が必要です。
- 就業規則に振替休日の規程を設けること
- 振替日を必ず指定すること
振替休日の規定について
規定を作成される際は、次の2点を押さえましょう。
- 会社は業務の都合により、1週間の起算日を日曜日としてあらかじめ休日を他の出勤日と振り替えることがある。
- 休日を他の日に振り替えるときは、前日までに振り替える休日を特定して社員に通知する。
これを防ぐためにも、可能な限り、日曜を起算日とし1週間以内(同一週内)に振替休日を取得するような仕組みを取ったほうがいいでいしょう。
日曜日(法定休日)以外の休日(土曜日等)に出勤させても休日出勤にはなりませんので注意して下さい。
万が一、同一週内に休日を振り替えられない場合は、早いうちに取得できるようにしておきましょう!
法定休日は、4週で4日確保する必要があります。
事前の振替えについて
休日を振替える際は、上司が命じるなり、従業員に届出させる等して、事前に「いつの休み」を「どこの出勤日」と入れ替えるのかを指定して命令又は届出をさせましょう。
労働者としても、代わりに休みを取ったが、有休のつもりだっとか、後から賃金請求トラブルに至る可能性があります。
また、監督署の調査等が入った時の、 事前に振替えを指定していることの証拠資料 となります。
振替休日の強制力について
私の意見としては、休日労働の代替措置として振替休日しか認めないという強制規定は問題があると考えます。
「振替休日しか認めない」というのは、業務繁忙の為に結局振替休日が取得できない可能性が大きくなります。
また一番大きな問題としては、 当該労働者の会社に対する貢献意欲や士気を下げる ことになるだろうと考えます。
勿論、本来の休日に出勤することとなった経緯等(労働者の都合など)を勘案すると、振替休日が妥当と考えられる場合もあると思われます。
よって、多様な働き方が多くフレキシブルな対応が求められる昨今、規定上で限定的な定めを行い、選択肢を狭めるのは避けた方が望ましいかと考えます。
いずれにせよ慎重な対応、判断が必要です。
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