こんにちは。福岡市西区の元SE×社会保険労務士の吉田です。
昨今、未払い残業代請求の代行業者や弁護士が多くなっているのをご存知でしょうか??
なぜ今、未払い残業代請求なのでしょうか!?
それは、
きちんと対応している企業が少なく、請求すれば数百万の残業代を請求出来るから
です。
昔からの慣行で、「残業代込みの給料を支給していた」ではもうダメなのです。
きちんと手続きを踏んで、対応する必要があります。
目次
なぜ今、未払い残業代請求が増えているのか!?
近頃、未払い残業代請求の方法についてのWebサイトが増えたり、未払い残業代請求を代行する弁護士が増えていることを知っていますか!?
何故なのでしょうか!?
答えは、単純です。
事業として成立するからです。
過払い金返還請求の時効問題
過払い金の返還請求をご存知でしょうか!?
数年前からTVコマーシャルで、「利息を払いすぎていませんか!?」や「利息の過払い 返還金請求で戻ってくる」などの謳い文句で、大手弁護士事務所らがCMを流していました。
実はこの返還金請求の時効が2017年頃に向かえる のです。「過払い金」とは、元々は2000代前半~2006年にかけて、多くの貸金業者が利息制限法に違反する29.2%という高金利で貸付を行っていたことに起因する問題です。
その後、2006年に最高裁が過払い金の返還請求を全面的に認め、2007年に貸金業法が改正されたことで、2007年頃が、過払い金が発生しうる最後の取引期間となります。
そして過払い金請求の時効が10年ということなので、2017年頃までにほとんどの過払い金が時効を迎えることになるのです。
未払い残業代請求バブルの到来
この過払い金返還請求バブルが終焉を迎え、次に目を付けているのが「未払い残業代請求」なのです。
安倍首相が「働き方改革」を掲げ、「長時間労働」や「ブラック企業」という言葉は流行語にもなり、ヤマト運輸が約230億もの未払い残業代を支払うと宣言し、誰もが「未払い残業代」という言葉を耳にする時代に突入しました。
「きちんと残業代もらっていますか?未払い残業代問題は、◯◯◯法律事務所へ」というCMが流れる日が来るのも、そう遠くないかもしれません。
権利者意識の高まり 時代は代わりつつあります
日本人は「自分の権利を声高々に主張しない。周りの空気を読む」という古き良き日本人らしさというモノが備わっていました。
しかし、インターネットの普及、グローバル化によってそれらは壊れつつあるようです。
というより、自分の権利を主張するというのは当たり前で普通のことなのです。
中国では、「食べ放題」というビジネスが成り立たないそうです。それは、同じ権利のはずなのに「多く食べる人」と「食べられない人」に差が出て、不公平感が高まるから。
そもそも日本人が独特であり、普通になってきたと考えるのが妥当なのかもしれません。
未払い残業代で大口取引先との契約解除もありえる
従業員または退職者が、未払い残業代を請求する場合の流れとしては以下のようになります。
弁護士に相談 → 内容証明の送付 → 訴訟 → 判決・・・
勢いのある経営者の多くは、「あんなやつに何で払わないとイケないのか!?最高裁まで争う」等と口にされますが、
多くの場合、弁護士先生のすすめで示談でまとまることが多いようです。
理由は
- 勝てる見込がない
- 示談すると少し安くしてもらえる
- 弁護士先生(相手方も含めて)も、訴訟になると手間がかかる
などです。
しかし最近では、
弁護士に相談 → 内容証明の送付 → 売掛金の差し押さえ・・・
という流れも増えつつあるようです。
先取特権を利用した売掛金の差し押さえ
なじみが無いかもしれませんが、民法には、先取特権という権利が認められています。
先取特権とは、一定の債権を有する者に対して、一定の財産から優先的に弁済を受ける権利を認めるものです。
通常は、裁判を経て、その後差押えをするという流れが一般的ですが、
先取特権がある場合、裁判を経ずに、いきなり差押えをすることができるのです。
そして一番重要なポイントは、
会社と取引先との契約書の中には、だいたい「契約解除」に関する条項があります。
そしてこの条項の契約解除となる条件として
「重要な資産につき差押え、仮差押えまたは競売の申立てがあったとき」
などのような一文があった場合、 最悪の場合、取引先との契約が解除されるケース も出てくるのです。
未払い残業代の時効は2年とは限らない
未払い残業代請求権の時効は2年ですが、
不法行為による損害賠償請求権の時効は3年 です。したがって、残業代の未払いが不法行為と認定された場合、3年分の未払い残業代の支払いが命じられる可能性があります。
未払い額と同等の付加金の支払いを命じられる場合もある
労働者が単に、未払い残業代を請求するだけであれば、未払い額だけの支払いで済みますが、
訴訟を起こされると厄介です。
労働基準法では、
裁判所は割増賃金の未払い金のほかに、同額の付加金の支払いを命じることができると定められています。
つまり、訴訟に発展した場合、本来支払うべき残業代の最大2倍の額を労働者に対して支払わなければならない可能性があるのです。
まとめ
残業代未払い問題の怖さ、リスクを分かっていただけたでしょうか。
時効があるので、早めに対策を取ることをオススメします。
ポイントは、勤怠管理システムと就業規則、雇用契約書、同意書ですが、
やはり一番重要なポイントは、従業員との関係性ではないでしょうか!?
【サービスメニュー】
・社会保険及び労働保険手続き、相談
・給与計算代行
・雇用に関する助成金の申請代行