コンピテンシーを知ると採用、教育、社員満足度が劇的に変わる

こんにちは。福岡市西区の元SE×社会保険労務士の吉田です。

平成29年度になり、雇用関連の助成金も大きく変わりました。

イメージとしては、 社内人事制度を整備して、さらに生産性が向上すると100万円以上の助成金 がもらえるということ。

 

人事制度の整備は、コンサルに依頼するとそれなりの委託料を取られますが、助成金ありきで考えると、この機会に人事制度を導入するのも経営判断としてアリではないでしょうか!?

今回は、採用活動、社員教育に大きな影響を与えるコンピテンシーについて

コンピテンシーとは

1970年代からアメリカ・ハーバード大学のマクレランド教授(心理学)がMcBer社とともに、1973年に学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかを研究し、知識、技術、人間の根源的特性を含む広い概念として発表した。

コンピテンシー(competency)の定義としては従来、単に行動ディメンション、基準、特性、行動傾向を指すにすぎなかったが、ボヤティズ(Boyatiz,1982)によって次のように定義された。

「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。

また、「コンピテンシーとは、職務や役割における効果的ないしは優れた行動に結果的に結びつく個人特性である」とするEvarts(1987)の定義もある。

wikipedia|コンピテンシー

簡単に言うと

  • その企業で優秀とされる社員の共通する行動特性を調べる
  • その行動特性をもとに、採用や人材教育をすると企業の生産性が上がる

というわけなんです。

従来の日本の人事考課

従来の日本の人事考課は「協調性」、「積極性」、「規律性」、「責任性」などから構成されているが、能力が高いことが成果とつながるわけではなく、評価と会社への貢献度がリンクしないことが多いようです。

 

一方、コンピテンシーは「親密性」、「傾聴力」、「ムードメーカー」、「計数処理能力」、「論理思考」など、具体的な行動現象形態で評価するので、評価と会社への貢献度がリンクしやすくなるというメリットがあるようです。

 

コンピテンシーを用いた面接

社内で求めるコンピテンシーが決まれば、そのコンピテンシーを持っているであろう人材を探せばいいのです。

従来の、

  • 志望動機
  • 長所、短所
  • キャリアプラン
  • 価値基準

などを確認する採用面接では、応募者は事前に準備できますので、入社してから

「こんなはずじゃなかった」という事が起きてしまいます。

 

一方、自主性の高い自律した人材を探したいのであれば、コンピテンシー面接では、

  • 成果を上げた過去の成功体験
  • 成果を上げるために、どのような工夫をしたか
  • どのように成功に導いたのか
  • 失敗したか
  • どう改善したか

など、その人が成果を上げるまでの過程で、PDCAサイクルを自分自身で回せているかを具体的な事例で確認します。

このようにすると、 自分で考えながら目標を達成できる人材を採用できる かもしれません。

コンピテンシー面接の質問スキルは、過去の行動を掘り下げるスキルといっても過言ではありません。

 

そして更にコンピテンシー面接に踏み込むと、

事前に応募者に、こういう質問をするので考えておくようにと宿題を出します。

こうすることで、企業がどのような人材を求めているのかをアピールし、応募者の採用活動にかける労力も少なくしてあげるという、双方へのメリットもあります。

嘘や妄想などを準備してくる応募者もいるかもしれませんが、そこは面接の場面で具体的に突っ込んで聞くなど、面接者の技量が試されるかもしれません。

ねらいと結果について

自分自身で考えて行動できる方は、最初から明確な「ねらい」を持って行動しており、なぜそうしたのか、その結果がどうだったのかを簡単に答えることができます。

それに対して、自分の頭で考えず、目的意識も薄いまま行動していると、何を目的に、どんな行動をとって、どんな結果になったのか、その流れを明確に説明できません。

「とりあえず一生懸命やった」とか「店長に言われる通りこなした」など抽象的な表現で終わってしまいます。

最後に

コンピテンシー面接は、AIU保険や東京海上日動などが、いち早く取り入れました。

しかし、コンピテンシーの最大のデメリットは、モデルを設計するのに手間ひまがかかったり、メンテナンスの手間もかかります。

また、考課に使った際には、部門・部署や職位・等級ごとに異なるコンピテンシーとなることが多いため、考課者は慣れるのに時間がかかるという点もあるようです。

しかしながら、面接の技法として取り入れることは、組織として求めれる人材像を明確にし、面接官で共有することでミスマッチや乖離を下げる効果が期待できるのではないでしょうか!?

多く書籍も販売されているようですので、ご興味がある方は手にとってみて下さい。

 

 

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