賃金台帳の備え付けは会社の義務!保存期間・様式など解説

こんにちは。福岡市西区の元SE×社会保険労務士の吉田です。

今回は、労務管理を行う上で絶対に必要な、法定三帳簿の一つでもある「賃金台帳」について。

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従業員を雇用して、雇用保険資格取得届を提出する際に添付の一つとしても求められますし、労働基準監督署の監督指導でも必ずチェックされる一つでもあり、超重要な書類であります!

賃金台帳とは

賃金台帳とは、労働基準法により作成と保管が義務付けられている法定帳簿で、とても重要な書類の一つです。

使用者は各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金 の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなけれ ばならない。

労働基準法108条(賃金台帳)

賃金台帳は、 社員に支払っている給料の計算根拠となる資料 であるため、必ず作成し保管が義務付けられているのです。

賃金台帳と給与明細の違いについて

毎月支払っている給料の額を社員にお知らせするために、「給与明細」を発行していると思いますが、この「給与明細」も賃金額の計算の根拠となる資料であり、

給与明細と賃金台帳は何が違うのか??

という疑問を持たれると思います。

賃金台帳の必要記載事項について

労働基準法が求める賃金台帳の条件を満たすには、次の8項目を網羅する必要があります。

  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外・休日・深夜労働時間数
  7. 基本給・手当その他賃金の種類ごとにその額
  8. 賃金の一部を控除した場合は、その額

上記8項目は、労働基準法施行規則54条により定められていることなので、漏れ等がないように注意して下さい。

賃金台帳作成の対象者とタイミングについて

作成が必要なのは正社員だけでなく、契約社員、パートタイマー、アルバイト、日雇い労働者など すべての従業員ごとに 作成が求められています。

日雇い労働者についても作成が必要になりますので注意して下さい。

 

また、作成のタイミングですが、

  • 事業所ごとに
  • 賃金の支払いのたびに

作成することが義務付けられています。

書式等については指定されていませんので、上記の8項目さえ記載していれば問題ないことになります。

なので、上記8項目が網羅されている給与明細でも代替可能

と判断しても問題ないでしょう。

が、賃金計算期間は給与明細に記載されていないことがほとんどだと思います。

また、労働者ごとにもまとめられていないので、やはり 賃金台帳を別途作成したほうがいい かもしれません。

もし万が一、 作成や保存を怠った場合は、労働基準監督署から指導や罰則が科される ことがあります。

不備等がないように注意して下さい。

賃金台帳の保存期間について

保存義務は3年間となっています。

紙での保管は求められていませんので、データ等でも問題ありませんが、

 提出を求められた際に、すぐに表示、印刷できることが条件 となっているので注意して下さい。

賃金台帳の書き方、記入例について

労働局が賃金台帳の雛形、記入例を提供していますので、そちらを参考にしてください。

労務関連の雛形や記入例等については、できるだけ労働局等のものを利用するようにしましょう!

まとめ

法定帳簿の作成や保存を怠った場合は、30万円以下の罰金が課せられます。

従業員が一人で賃金も毎月一定額しか支払っていなくても、作成することが義務付けられています。

労働基準監督署の調査や指導では必ずチェックされる項目になりますので、必ず作成し、この機会に自己チェックをしてみて下さい。

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