今は就業規則のひな形が簡単にインターネットからで無料で手に入るようになりました。
そのせいか、ひな形の就業規則をそのまま使っていたり、少しアレンジして使ってる会社は多いのが実情です。
しかしこれは絶対に避けなければいけないことなのです。
就業規則を作成する目的を理解していないと、必ずいつか労働トラブルが発生し、その就業規則では対応できないという事態が起こります。
目次
どんな就業規則を作るべきか
労働基準法では、就業規則の作成が義務付けられているので、ほとんどの会社に就業規則は存在します。
しかし就業規則はあるが、どのような事が記載されているのかまで把握していない従業員が多いことも事実です。
中には、把握していない経営者がいることも事実です。
日常の業務の中で、就業規則を読み返す機会がないので、作成のタイミングや改定のタイミングで周知があったとしても、それっきりになることが多いのです。
このように、 就業規則を放置した状態が続くと規程の内容が原因でトラブルが生じる可能性があります。
中には、経営者自身がルールであり、「自分の言うことが絶対だ」、「今までこうしてきた」などと仰る経営者がいますが、「昔はよくても今はダメ」なケースもあるなど、今までの習慣が法令に合わなくなる可能性もあります。
就業規則の定期的な見直しは絶対に必要なのです。良い就業規則とは
「就業規則」って、会社のルールを会社が都合よく作成したもの
って考えている従業員が多くいるのも事実です。
そうした中で、私たちが考える「良い就業規則」とは次のようなものだと考えます。
従業員の士気を高めることができる
従業員の士気を高めなければ会社の成長は期待できません。
労働基準法の最低基準を就業規則に落とし込むだけでなく、特別報酬などの支給規定と支給基準、特別休暇や資格取得の費用援助など、従業員の士気を高める制度が盛り込まれた就業規則を指します。
従業員の心に届き、一体感が生まれる
経営理念や経営者の思いを盛り込むことで、従業員の気持ちに届く就業規則が必要です。
なぜなら、 経営理念と経営者の気持ちが入っていない就業規則は、従業員を縛り付ける単なるルールでしかない からです。
ただのルールブックであれば、誰も就業規則を読もうとしないでしょう。
経営理念や経営者の思いが就業規則を通して共有できる。さらにはそのルールが自然と浸透する。
そして、会社と従業員の一体感を高め、同じ目標、同じベクトルに向かい、会社は更に前進するのです。
トラブルを防止し、頑張る従業員を守れる
私たちが提案する就業規則は、基本的には従業員の士気を高め、会社とともに前進できるような内容になっています。
ただそれだけでは、万が一の労働トラブルに対して会社が適切に対応することができません。
なので、 様々なリスクを考慮し、曖昧な表現を避け、誰が見ても判断できるように作り上げます 。
しかしながら、会社にとって都合がよく、労働トラブルを未然に防ぐだけの内容になってしまえば、従業員の士気は低下し、指示待ち人間になってしまうかもしれません。
私たちが提案する就業規則は、会社と従業員の双方に考慮した作りになっています。
従業員の意見を反映している
就業規則を作成したり、変更する際は、「従業員代表者の意見を聴くこと」と労働基準法で定められています。
ポイントは、意見の聴取だけであり、その意見を就業規則に盛り込むまでは求めていないということです。
しかしながら、「これから従業員と一緒に頑張っていこう」という思いで作られている就業規則に、従業員の意見を全く反映させないのは、いかがなものかと考えます。
少し手間はかかるかもしれませんが、従業員と一緒になって現実と向き合い、理想を話し合うのもいい機会なのではないでしょうか。
会社、従業員の双方のことを考えたバラスが大事
悪い就業規則とは
前段で「良い就業規則とは」について考えてみました。
逆説的で、一部重複する部分もあるかもしれませんが、私たちは以下の内容だと考えます。
ひな形をそのまま流用している
今は就業規則のひな形が簡単にインターネットからで無料で手に入るようになりました。
そのひな形の就業規則をそのまま使っていたり、少しアレンジして使ってる会社は多いのが実情です。
が、ひな形の流用は絶対にやらない方が賢明です。
例えば、ひな形を流用し、そのまま会社の就業規則とした場合、想定外の退職金や休暇を与えてしまう危険も潜んでいます。
就業規則の構成や、文体を調べる際の参考程度に活用するだけに留めましょう。
必ず、自社の実態に合った内容を盛り込むようにして下さい。理想を盛り込みすぎている
私たちが提案する就業規則は、「従業員の心に響き、士気を高めることが出来る就業規則」です。
従業員の事を思って、士気を高められる制度をたくさん盛り込もうとする経営者もおられます。
が、
将来にわたってずっと、本当に実現可能なのか?
一旦立ち止まって、考えて下さい。
就業規則に記載し、従業員に周知し、労働基準監督署に届出た瞬間、その制度は会社の義務になります。同時に、従業員は自分達の権利だと考えます。
もし万が一、その制度が続けられず、就業規則を変更することになった場合、不利益変更に該当し、またさらなる労力を要することになります。
労働基準法の勉強不足
経営者や総務関連の担当者の労働基準法に対する勉強不足により、誤った解釈で就業規則を作成してしまうケースがあります。
例えば、ひな形の就業規則には
「所定労働時間を超えた時間外労働は、割増賃金を支払う」と記載されていることが多いです。
なぜなら、所定労働時間が8時間の事業所が多いからです。
所定労働時間が8時間の事業所であれば、所定労働時間を超えた時間外労働に対して割増賃金を支払うことは法令上必要なことで、間違ってありません。
が、所定労働時間が7時間の事業所の場合、残業代を多く支払っている場合があります。
このように、 労働基準法の勉強不足、知識不足から必要のないコストをかけている可能性もある のです。
1日単位でみると大したことはありませんが、1年単位みると相当なコストになります。
このコストを「従業員の士気を高めるために」、「PCなどのシステム投資へ」など別のカタチで活用できたかもしれないのです。
就業規則作成は、大変な手間と労力、さらには労働基準法関連の知識を必要とします。就業規則を作成される際は、社会保険労務士に依頼することをオススメします。
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