残業をすると残業代が支払われる・・・
正しいと言えば正しいし、間違いと言えば間違いです。
従業員が1時間の残業をした場合、
その会社の所定労働時間(1日に働かなければならない時間)によって、支払う残業代が異なってきます。労働基準法で定められている残業時間の算定方法や残業手当の計算方法を理解していないと、
本来支払う必要のない残業代を支払ってしまい、無駄なコストをかけたことに・・・
支払わなければならない残業代を支払っていないと、従業員から未払い残業代の請求が、しかも同額の付加金とともに・・・
今回は、残業代の計算方法について説明します。
所定労働時間とは
所定労働時間とは、みなさんの会社の就業規則で定められている「1日に働かなければならない労働時間」です。
「1日7時間、週5日勤務して35時間、働いてね」と定めている場合、
所定労働時間は7時間となります。
法定内残業とは
まず、労働基準法で定められている労働時間(法定労働時間)について理解しましょう。
- 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
- 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
と定められています。
要は、
- 1日8時間までであれば、法定内です。
- 1週間40時間以内であれば、法定内です。
ということです。
なので、法定内残業とは、所定労働時間を超えて、労働基準法による1日8時間、1週間40時間を下回る残業時間をいいます。
例えば、会社の就業規則で労働時間が9時から17時、12時から13時が休憩の場合、
所定労働時間が7時間なので、1時間残業した場合は8時間の労働となり、法定内ということになります。
結果、法定内残業は1時間となります。
法定外残業とは
法定外残業とは、労働基準法で定められている労働時間を超えてた残業のことを指します。
例えば、会社の就業規則で労働時間が9時から17時、12時から13時が休憩の場合、
所定労働時間が7時間なので、2時間残業した場合は9時間の労働となり、
結果、法定内残業が1時間、法定外残業が1時間となります。
残業代の割増賃金について
残業代の割増率は次のとおりです。
割増率 | |
---|---|
法定外残業 | 25% |
深夜残業 | 25% |
法定休日労働 | 35% |
以上のように、法定内残業をしても割増賃金を支払わなくてもよいことが分かります。
法定外残業の場合は、通常の時給相当額の25%増し、さらにその残業が深夜(22時から翌朝5時までの間)に渡り残業した場合は25%プラスされて通常時の50%増し。
そして、休日に法定外残業をした場合は35%プラスされて通常の60%増しの賃金ということになります。
まとめ
所定労働時間が8時間より短いのに、残業をしたということで割増賃金を支払っている事業所が多いのも事実です。
無駄な残業代を支払わないためにも、労働基準法を理解し、しっかりと違いを認識しておくことが大切です。
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